新しい小説を完成させましたので公開します。
タイトルは、『飲酒の代償』 です。
初めての 〈 父子もの 〉 に挑戦してみました。
38歳の父親と、16歳の息子のお話です。
スパンキングの小説なので、お尻叩きのシーンがあります。
また、僕の好きなキーワード 〈 父性愛 〉 が本作でも1つのキーワードになっているかもしれません。
拙い出来ですが、お楽しみ頂ければ嬉しいです。
※ この小説はフィクションです。実在の人物などとは一切関係がありません。
※ 時代設定は現代としています。それもあって、パンツは白ブリーフではありません。ご了承ください。
1. 一口だけ、一口だけ…
「ちょっと一口だけ」
ある日の夕方のこと。父親の酒瓶を手にした幸一は、コップに3分の1ほどの日本酒を注ぐと、一気にグイッと飲み干した。幸一は16歳になったばかりの高校1年生である。当然ながら飲酒の許された年齢ではない。この日が生まれて初めての飲酒であった。つい出来心で、好奇心に駆られるままに、父親の日本酒を口にしていた。
「ああ、うめぇ。もう一口だけ…」
幸一は、今度はコップに半分ほど日本酒を注ぎ、またもや一気に飲み干した。初めての日本酒は想像以上に旨くて、「あと一口」の連鎖が抑えられなくなってしまった。ふと我に返ると、すでに400mlほどを呑んだ後だった。
「うわ、やぱい、こんなに呑んだら父ちゃんにバレちゃうかも…」
400mlといえば、一升瓶の2割を超える量である。これだけ減っていれば、一目瞭然、父親はすぐに気づくだろう。どうしたものかとしばらく思案していた幸一は、おもむろにコップを持って立ち上がると、流しへ向かい水を汲んだ。そして、その水を一升瓶の中へと流し入れたのだった。コップ2杯分の水を入れたことで、外見上は当初の量と同じに見えるようになった。
「よし、これで大丈夫」
もちろん、全然大丈夫ではないのだが、酔いが回り始めている上に、完全に気が動転していたこのときの幸一に、適正な判断能力などなかった。自室へ入った幸一は、そのままベッドに横たわり、生まれて初めての酔いに身をまかせていた。
2. 父ちゃんの帰宅「ただいまー」
父親の幸雄が帰ってきたのは午後7時頃のことであった。ここのところ残業になることが多く、久しぶりに早めの帰宅となった。38歳になる幸雄は、ガッチリした体格の持ち主で、建設会社に勤めている。
「父さん、おかえりー」
応じたのは次男の幸二であった。14歳で中学2年生、幸一とは2つ違いの弟である。いつもはリビングでテレビを見ていることの多い幸一の姿が、今日はない。
「おう、幸二だけか。兄ちゃんはどうしたんだ」
「わかんない。部屋で寝てるんじゃないかなー」
「珍しいな。風邪でもひいたか」
「兄ちゃんが風邪なんて、もう何年もひいてないよね」
「まあ、そうだな。あいつの取り柄は身体が丈夫なところだしな」
「そこだけだよね」
「おいおい、そんなこと言ってやるなよ」
幸雄は、笑いながら階段を登り、2階の書斎へと向かった。
「今夜は酒でも飲んで、ゆっくり過ごしてやろう」
そんなことを考えながら、スーツからジャージに着替えると、再びリビングへと下りてきて、惣菜を温めて夕食をとり始めた。妻の良枝は2年前に病気で他界したので、それからは男手一つで息子たちを育ててきた。
テレビのチャンネルは、ケーブルテレビの野球中継になっていた。幸雄も2人の息子も、野球を観るのが好きなので、中継を視聴できるようにケーブルテレビを契約しているのである。今映し出されているのは、神宮球場でのヤクルト 対 中日の試合。スコアレスのままで中盤の5回裏、1死満塁でヤクルトが先制のチャンスを迎えていた。打者は5番の畠山。
「ハタケ、がんばれー」
「ハタケ、はたらけー」
幸雄と幸二の声援が通じたか、畠山の打球は右中間へのタイムリーヒットとなり、ヤクルトが2点を先制した。
「ハタケがはたらいたー」
「ハタラケ山がはたらいたー」
4番のバレンティンが敬遠されて迎えた打席だったので、畠山としては意地でも決めたい場面だったことだろう。そして、野球の神は、畠山にほほえんだのだった。
「また神宮球場、連れてってね。テレビも良いけど、外野で傘振りたいー(´∀`*)个」
「わかった、わかった。夏休みに行こうな」
そう言いながら、幸雄はとても嬉しかった。父親と一緒に出かけるなんて、嫌がるようになってもおかしくはない年齢である。それなのに、うちの息子はなんとかわいいのだろうと、しみじみ思っていたのだった。
3. 飲酒発覚
食事を終えた幸雄は、さて野球中継を観ながら酒を飲もうと、一升瓶とコップを取りに行った。試合はヤクルトが2点をリードしたままですでに8回表へと入っていた。今宵は上々の気分でお酒を呑めそうだ。しかし、コップに酒を注ぐと、すぐに何かがおかしいことに気づいた。匂いがあまりしてこないのだ。怪訝に思いながら、少し口へ含んでみる。
「な、なんだ、これは!?」
入っていた酒が知らぬ間に減り、その分だけ水が満たされているというのが、今起きている異変であった。きっと誰かが呑んでしまい、見かけを誤魔化すために水を入れたに違いないのだ。外から侵入者が無かったのであれば、その犯人は2人の息子のうちのどちらかでしかあり得ない。残念だが、そういうことなのだ。
「どうしたの?」
幸二が父に尋ねる。
「お前、もしかして、このお酒呑んだりしてないよな?」
やさしく、だが、威厳のある口調で、幸雄は問いかけた。
「ぼくはお酒なんか呑まないよ、ホントだよ」
おそらく幸二の言うことは本当だろうと、幸雄は思った。この味の変化からして、犯人は相当な量を呑んだはずなのだ。それにしては、幸二はまったくもって素面(しらふ)である。
「そうだよな、疑ったりしてごめんな。じゃあ、犯人は……」
そう言いながら、幸雄は階段の方へ視線を向けた。そして、
「幸二はリビングで待っていなさい」
と言い残すと、階段を1段1段と踏みしめるようにして登っていくのだった。
「兄ちゃん、お酒呑んだんだ…。父さん、すごく怒ってるから、きっとなかなか許してもらえないだろうなあ。大変だ…」
この後、兄の幸一がどのような目に遭うのか、幸二は己の尻でもってよくわかっているのである。そして、目は野球中継を映し出すテレビへ向けながらも気はそぞろとなっていた。これから2階で繰り広げられるであろう〈 修羅場 〉 のことを思うと、落ち着いてなどいられなかった。
2階へ上がってきた幸雄は、大きく深呼吸をすると、幸一の部屋のドアをノックした。
「開けなさい! 話があるから」
その音を聞いた幸一は、
「うわ、もうバレちゃったのかよ…。どーしよう」
と大パニックに陥っていた。そして、ただひたすら黙ってじっとしているのみだった。
「幸一、いないのか? 居るんだったら、返事くらいしなさい!」
そう呼びかけても、幸一の返事は返ってこない。ドアノブに手をかけて開けようとしたが、鍵がかかっていた。
「まったく…。どうしても開けられないというのなら、最終手段を使うしかないな」
そうつぶやくと、幸雄は自分の部屋へと赴き、マスターキーを取り出した。そして、即座に幸一の部屋のドアに差し込み、開かずのドアをバタンと乱暴に開いたのだった。部屋へ入ると、あの日本酒の匂いが漂っていた。ベッドでエビのように丸まっている幸一の顔は、赤らになっていて、明らかに素面ではなかった。
4. 飲酒の代償「さあ、座りなさい」
幸雄が厳めしい口調で促すと、幸一は緩慢な動作で起き上がり、ベッドの上に胡座をかいた。
「そうじゃないだろ。正座だ、正座!」
幸雄は容赦なくたたみかけた。息子は飲酒をしたのだ。法に触れる行いをしたのだ。だから、今日は徹底的に厳しく叱るのだと、心に決めていた。そんな幸雄の覚悟を知ってか知らずか、幸一はすぐに正座し直すのだった。
「お前が、父さんのお酒を呑んだ。間違いないな?」
「はい。間違いありません」
「よし、じゃあ、これから父さんと一緒に警察へ行こう」
「え?」
「え、じゃないよ。未成年者がお酒なんか呑んで。それが犯罪だってことくらい、お前は知っているはずだよな」
「……」
「いくら息子でも、〈犯罪者〉は〈犯罪者〉だからな。さ、早く、支度をしなさい」
幸一は、〈犯罪者〉と言われてドキッとした。そうなのだ、自分は犯罪をしてしまったのだと、思い知らされた。そして、冷ややかな口調で〈犯罪者〉と言われたことが何よりも辛かった。いつもの優しく温かい父の姿とは、あまりにかけ離れていた。
「お酒を呑んで、ごめんなさい……」
やっとのことで、絞り出すように出てきた謝罪の声は、蚊の鳴くように小さなものだった。
「なんだ? 聞こえないぞ」
本当は聞こえていたのだが、わざとそう返す幸雄だった。今日は、とことん、心を鬼にすると決めているのだ。
幸一は声を振り絞って、再び謝罪を口にする。
「お酒を呑んで、ごめんなさい! だから……」
「だから……何なんだ?」
「だから……警察へ行くのだけは、許してください」
「許すか許さないかを決めるのは、俺じゃなくてお巡りさんだからなあ」
もう少し試練を与えてやろうと、幸雄はそんな返答をするのだった。
「お願いします…。もう二度と、未成年のうちは飲酒しません。どんな罰でも受けます。だから、警察だけは……堪忍してください」
よほど警察へ行くのは嫌なようだ。それはそうだろう。良い薬になっただろうから、今回は幸一の意向に添ってやろうと、幸雄は考えた。
「本当に二度とこんなことをしないと、誓えるんだな?」
「はい」
「絶対だな? 間違いないんだな?」
「はい」
「よし、じゃあ、今回だけは、警察へ行くのは無しにしよう。でも、今度やったら、有無を言わさず警察行きだからな。よく覚えておけ」
「はい……ありがとうございます」
「でも、悪いことをした以上は、罰は受けてもらうぞ! さっき、どんな罰でも受けると宣言したんだし、潔く受けろよ」
「……」
「さ、久しぶりのお仕置きだ。準備しなさい」
〈お仕置き〉と言えば、尻叩きのことを意味する。それは、この父子の間では共通理解となっている。高校1年生にもなって、父親にお尻を叩かれるのだ。考えれば考えるほどみじめであった。しかし、自分でまいた種であるからには、致し方ないのである。
幸一は、勉強机に手を付き、尻を突き出した。その間に自室へプラスティック製ものさしを取りに行っていた幸雄は、戻ってくるとさっそくお仕置きを宣告した。
「まずは10発行くぞ! ちゃんと数えろよ」
パーン 「1!」 「まったく悪い子だ」
パーン 「2!」 「父さん、情けないぞ」
バッチーン 「3!」 「16にもなってお尻叩かれて」
ベッチーン 「4!」 「ほんと恥ずかしいな」
バチコーン 「5!」 「未成年者が飲酒なんて、100年早い」
ベチコーン 「6!」 「分かってるのか」
バッチコーン 「7!」 「どうだ痛いか」
ベッチコーン 「8!」 「父さんの心も痛いんだぞ」
バッチーーーン 「9!」 「こんな目に遭いたくなかったら」
ベッチーーーン 「10!」 「二度とこんなことをするんじゃない」
ズボンの上からではあるが、幸雄の振り下ろすものさしの衝撃は強く、尻には痛みが走った。1発ごとに挟み込まれる短い一言は、心に痛みを与えた。物理的な痛みと心理的な痛みのダブルパンチに懸命に耐える幸一であった。
お仕置きの原因が軽微なものであれば、これで終了である。だが、今回は未成年の飲酒という重たいものなので、まだまだ終わることはない。
「ズボンを下ろしなさい。今度はパンツの上から10発だ」
16歳にもなって、父親からパンツ丸出しのお尻を叩かれる。『故郷を離るる歌』の歌詞「別るる我を憐れと見よ」に倣って言うならば、「叩かるる我を憐れと見よ」とでも言ったところである。幸一の心は恥ずかしさと情けなさでいっぱいだった。それでも、「自分が悪いんだから、潔くしよう」と意を固め、ズボンを下ろした。
ぴっちりとした、グレーのボクサーブリーフの生地に包まれた尻に、変わらず容赦なく、ものさしが炸裂する。
パーン 「11!」 「どうだ、恥ずかしいか」
パーン 「12!」 「パンツ丸出しでお尻叩かれて」
バッチーン 「13!」 「ダッセーよな」
ベッチーン 「14!」 「未成年が酒なんか呑むからこうなるんだ」
バチコーン 「15!」 「こんな、ダッサイ目に遭うの嫌だろ」
ベチコーン 「16!」 「今度同じことしたら」
バッチコーン 「17!」 「幸二の前で叩くからな」
ベッチコーン 「18!」 「学校の友達にも見てもらうからな」
バッチーーーン 「19!」 「そんな目に遭いたくなかったら」
ベッチーーーン 「20!」 「二度とこんなことをするんじゃない」
2人きりでさえこんなに恥ずかしいというのに、弟や友達に見られたら、恥ずかしいどころでは済まないだろう。幸一は、とにかく20歳になるまでは、絶対に酒には手を出さないと心に誓ったのであった。
だが、まだまだお仕置きは続く。ベッドに腰掛けた幸雄は、己の膝をポンポンと叩きながら、
「さ、膝の上に乗りなさい」
と促した。16歳にもなって、膝の上に乗せられて尻を叩かれる…。もはや、その情けない姿を想像するだけで、涙が出てきそうな幸一であったが、全ては自分で捲いた種なのだ。大人しく父の膝の上へおさまった。
「最後は、パンツもめくらせてもらうぞ」
そう言うや否や、幸雄はボクサーブリーフのゴムに手をかけ、引っ張り下ろし、尻を丸出しにしてしまった。酒のために赤らになっていた幸一の顔が、さらに赤みを増した。
「よし。ラスト10発は平手だ。1発1発しっかりと噛みしめ、その痛みを心に刻み、きちんと反省するように」
そう宣告すると、幸雄は平手を振り上げ、そして幸一のむき出しの尻へと勢いよく振り下ろすのであった。
パーン 「21!」 「お前もすっかり大きくなったな」
パーン 「22!」 「膝がずしりと重たいぞ」
バッチーン 「23!」 「身体は大きくなっても」
ベッチーン 「24!」 「まだまだ心は子どもみたいだな」
バチコーン 「25!」 「法や規則は守らなきゃダメだ」
ベチコーン 「26!」 「特に決まっていないことでも」
バッチコーン 「27!」 「判断しながら行動するんだ」
ベッチコーン 「28!」 「自分を律することができてこそ大人なんだぞ」
バッチコーーーーーン 「29!」 「もっと心を強くするんだ」
ベッチコーーーーーン 「30!」 「お前ならできる」
最後の30発目が炸裂したとき、幸一の目からはついに涙がつたい始めた。
「さあ、しばらく壁の前に立って、反省していなさい」
「はい……(グスン)」
ものさしで20発、平手で10発、真剣に打ち据えられた尻をさらし、幸一は反省のときを過ごしていた。涙は止ることはなかった。
実際には5分ほどしか経っていないのに、20分か30分も経ったような気がした。
幸雄は、そんな息子の姿を少し離れたところからじっと見守っていた。自分の真剣な気持ちは息子に伝わっただろうか。内心はドキドキしていた。
「そろそろ、幕引きにするか…」
心の中でそう呟くと、幸雄はそっと立ち上がり、幸一のところへと歩いていった。
「ちゃんと反省できたか」
「はい(グスン) 父さん……ごめんなさい」
幸雄は、幸一の腰へと手を回し、軽くハグしてやるのだった。
「これからは、真っ当に生きていくんだぞ」
「はい」
「お酒は20歳になってから。20歳の誕生日を過ぎたら、一緒に美味しい酒を呑もうな。楽しみにしてるぞ」
「はい!」
幸雄の顔にも、幸一の顔にも、笑顔が浮かんだ。
「幸二が神宮球場へ連れてけと言うから、今年も夏休みに何回か行く予定なんだ。よかったらお前も来いよ」
「うん」
「それも楽しみにしてるからな」
自分の部屋で一人きりになった幸雄は、改めて、「やっぱり、うちの息子たちはかわいいなあ」としみじみ思うのであった。
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僕が書いた、これ以外の作品については、
創作リスト をご覧ください。
短気な性格でしたので、来客が居てもお構い無くブリーフを脱がされ生尻を叩かれ最後に金玉を鷲掴みにされました。
想像ですが、おそらく祖父も旧日本軍で尻を叩かれて金玉を鷲掴みにされていたのではないかと思います。