今回は、ブリーフの着用率がわかる、貴重な(?)学術論文をご紹介します。
2000年に、日本家政学会誌へ掲載された、
『男性の衣服着用の現状』という論文です。
間瀬,原田,小町谷,石原(2003)「男性の衣服着用の現状」,『日本家政学会誌』Vol. 54 (3),pp.219-228. 抄録の冒頭部分を引用します。
超高齢化社会に向かおうとしている今, 若年から高齢に至る男性の衣服着用の実態や習慣を理解しておくことは, 重要であると考える.男性の快適な衣生活に向けた基礎資料を得るため, 男性の衣服着用の現状についてアンケート調査を13歳~94歳の男性1,165名に対して実施し, 以下の結果を得た.
(後略)
調査対象は質問紙調査法で、2000年11月から2001年1月に実施されたとのこと。
対象者の年齢・職業の分布は、以下の通りだったようです。(図1を引用)

調査結果は、職場・学校時,外出時,家庭内,就寝時のものがそれぞれ示されています。
ここでは、職場・学校時のデータが示された図2のうち、下着に関連する部分だけを見てみることにしましょう。
(それ以外の部分は、原典でご覧下さい。先に挙げたリンク先から、PDFファイルにて閲覧できます)

ブリーフとトランクスに関しては、夏と冬で大きな差は無いようですね。
それにしても、10代と20代のブリーフ率の低さには、寂しいものがあります。
もう少し拡大して見てみましょうか。

これは、さきほどの図2の中で、「夏」の「ブリーフ」の部分のみを拡大したものです。
悲しいことに40%を超える年齢層がありません。それで、一番上が40%になっています。
もともとは20%刻みでしか線が入っていませんでしたが、10%と30%のところに線を入れてみました。
このグラフからすると、若年層(10代~30代)のブリーフ率は、概ね下のような感じのようです。
- 10代 3.1%
- 20代 5.6%
- 30代 13.5%
また、各年代層の人数も分かっているので、それぞれの年代層でのブリーフ派の人数も、概算できます。
- 10代 6人 (204人中)
- 20代 13人 (235人中)
- 30代 20人 (148人中)
ただ、10代は全体の18%を占めますが、一方で中学生が1%,高校生が13%であることから、
10代のデータは、ほぼ全てが高校生・大学生・専門学校生・社会人のものであると思われます。
西暦2000年、10代後半ではブリーフ派はかなりのマイノリティになっていたんですね。
なお、中学生のブリーフ率は(学年にもよるでしょうけれど)さすがに3%よりは高かっただろうと思います。
当時の小学校高学年のブリーフ率が3割程度というデータもあります。
参考までに、僕の小6の時(1999年)のブリーフ率も、32%程度でした。
もしも今、同じような調査をするとしたら、「ボクサーブリーフ」という項目を設けなければなりませんね。
きっと、一番の多数派になるでしょうから。
そして、ブリーフ派はいったい何%になるのでしょうか。
現実に品物が売れている以上、0%ということは無いはずなのですが・・・。
しかし、母集団が小さいと、0人ということはあってもおかしくないかもしれませんね。
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